どうも、みっちゃんです!
世界情勢などのFXに関連する気になる情報を、私見を交えて不定期で発信しています。
トルコリラの行く末は・・・
5/7の20時過ぎに対ドル・対円ともに史上最安値を更新し、年初からの下落率が18%に達したトルコリラですが、、、
欧米金融大手3社にリラ取引禁止措置も、通貨流動性低下危惧
その後トルコの銀行調整監視機構(BDDK)が米・シティグループ、スイス・UBSグループ、仏・BNPパリバの金融大手3社に対し、リラ債務要件を満たしていないとしてリラが関わる取引の処理を禁止しました。
トルコ・エルドアン大統領は外国勢の投機がリラ安を招いているとしており、この措置は新たな投機を抑制しリラ安に歯止めをかける狙いがあるようです。
その一方で元々流動性の低いリラのさらなる流動性低下が危惧されており、この措置の後リラは下げ幅を縮小したものの依然売り目線が強いままのように見えます。
外貨準備枯渇への警戒感強く
国内経済成長低迷にさらなる追い打ちをかけた新型コロナ危機。
トルコ中央銀行は今年3月に為替介入を実施したことによる外貨準備枯渇が指摘されており、これ以上リラ安を阻止する能力は乏しいのではないかとも言われています。
投資家の多くは外貨準備枯渇への警戒感が強く、リラに対して売りが優勢な状況が続いているのだと思います。
通貨が危機的な状況に直面した国は、国際通貨基金(IMF)に支援をあおぐことが多いようですが、エルドアン大統領はこれまでIMFからの支援受け入れを繰り返し拒否しているようです。
IMFに救済を求めれば弱さを露呈することになるためとのことらしいですが、そんなこと言っていられる状況がいつまで続くのでしょうか。
米国はトルコとの外貨スワップ協定締結に後ろ向き
トルコ中銀は米連邦準備制度理事会(FRB)など20か国・地域の主要中銀と外貨スワップ協定の締結に向けた交渉を進めているとのことですが、米国はこれに後ろ向きだとみられています。
その背景の一つにはトルコ政府が米政府の反対を押し切り2019年から進めているロシア製ミサイル防衛システムS400の導入計画があるようですが、トルコ政府がここにきて当初4月に予定していた運用開始の延期を発表しました。
トルコ政府は新型コロナウイルスの感染拡大で稼働に遅れが出ているがS400導入についてはあくまで計画通りに進めることを強調していますが、米国が制裁に踏み切る事態を回避しかつ外貨スワップ協定締結に向けた姿勢の変化にも捉えられると思います。
しかしながら米リッチモンド連銀総裁は相互に信頼関係のある国とは既に協定があると、トルコとの協定締結に悲観的に感じる発言をしています。
第2のトルコショックは避けられるのか・・・
2018年8月にトルコショックと呼ばれる米国の制裁に伴う通貨急落を経験したトルコとしては、その時の水準を一時下抜けてなおリラ安が続く現状で、同様の事態を繰り返すことは避けたいところだと思いますが、果たしてどうなってしまうのか。
第2のトルコショックがいつ起こるかもわからない状態に感じざるを得ません。
FX会社が注意喚起、取引一時停止も
ヒロセ通商ではトルコリラ取引に関する下記のような注意喚起がなされました。

FX会社によっては、トルコリラ関連の通貨ペアの新規注文を停止するなど取引制限をしているところも既にあるようです。
トルコリラ相場の急変や取引不能となるリスクにより一層の警戒が必要な状態が続きそうです。
トルコリラが急落するようなことが起これば、トルコリラ関連通貨ペアだけでなく南アフリカランドなどの新興国通貨ペアなどにも影響が波及する可能性がありますので、注意が必要です。
情報元:
ブルームバーグ | トルコ当局、国内銀行にシティとUBS、BNPとのリラ取引禁じる
日本経済新聞 | トルコリラ、通貨危機の最安値下回る
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