人間生きてりゃ勝ち!みっちゃんです!
前回の記事「【5年間FXやって得た教訓】【FXはじめる前に絶対知るべき】ポジションと取引の流れ」では、FX取引に関する専門用語を解説するとともに、取引の流れをフローチャートで確認しました。
まだ読んでいない方は是非読んでくださいね!
さて第3回となるこの記事は、「ロスカットと潜むリスク」についてです。
前回の記事に引き続き、これからFXをはじめる・はじめたい方へ向けての、はじめる前に必ず知っておいていただきたい内容になっております。
今回はこれからFXをはじめる・はじめたい方だけでなく、今まさにFX取引を行っている方にとっても、気を引き締め直す内容になっていますので、ぜひご覧になって頂けると嬉しいです。
本編の前に・・・

専門用語もだいぶわかってきたし、そろそろFXやってみよ!
もうちょっと待ってください。
はじめる前に知っておくべきことはまだあります。
私や多くの方たちのように失敗を繰り返したくなかったら、もう少し辛抱しましょう。
今回の記事では、取引で常に意識しておかなければならないことをお話しします。
今実際にFX取引をしている人たちも、トレードに夢中になっているとふっと忘れてしまっていることです。
自分自身に対する戒めでもあります(笑)
では早速進んでいきましょう!
ロスカットの仕組みとルールをしっかり理解しよう
ロスカット:
含み損が増えて証拠金維持率がFX会社の取り決める水準を下回った時に強制的に保有ポジションを決済し損失を確定させる仕組みです。
強制ロスカット・自動ロスカットとも言います。
FXには、各FX取引会社が独自に取り決めたロスカットという制度があります。
これは損失の拡大を防ぐ安全装置と説明するサイトが多いですが、きちんとそのルールを理解して取引をしていないと損失ばかりがかさんでいくことにつながります。
リスクマネジメントのできた取引を行うための第一歩となりますので、これからご説明するロスカットの仕組みとルールをしっかり理解しましょう。
具体例を挙げて説明していきます。
FX口座に50,000円の証拠金を預け入れました。
このFX会社のレバレッジは25倍です。
1米ドル100円の時に、10,000米ドルの買いポジションを保有しました。
この時必要な証拠金は、100円×10,000米ドル÷25=40,000円です。
ところが時間が経って1米ドル99円を割った瞬間、保有していた10,000米ドルの買いポジションをFX会社が勝手に決済してしまいました。
これによって10,000円を超える損失をしました。

FX会社が勝手にそんなことできちゃうの?
はい、できてしまいます。
「勝手に」というのはさすがに行き過ぎた表現かもしれないですが、むやみやたらにというわけではなく「FX会社が取り決めたルールに従って」というのが正しい言い方です。
ロスカットをきちんと理解するために必要な用語をいくつかご説明します。
預託証拠金(よたく-しょうこきん)
FX口座へ預け入れた証拠金のことです。(上記例の50,000円)
必要証拠金(ひつよう-しょうこきん)
通貨を売買する時に必要な証拠金のことです。(上記例の40,000円)
評価損益(ひょうか-そんえき)
保有するポジションの未確定損益のことです。
評価損益についてより詳しくご説明したいと思います。
通貨の価値というのは、常に上がったり下がったりしています。
その瞬間の通貨価値のことを時価と言います。
1米ドル100円の時に買いポジションを保有したとして、その時価が100円より高くなれば利益が出ている状態になり(これを含み益と言います)、逆に100円より安くなれば損失が出ている状態になります(これを含み損と言います)。
でもこれらの損益って、買いポジションを決済した(売った)時に初めて損益として確定しますよね?
ポジションを保有していて利益や損失が確定していない状態、つまり含み益と含み損をまとめて評価損益と呼びます。
証拠金維持率(しょうこきん-いじりつ)
(預託証拠金+評価損益)÷必要証拠金×100%で計算されます。
証拠金維持率について具体的に計算してみましょう。
上記例で、
通貨を買った瞬間の証拠金維持率を計算してみます。
買った瞬間は1米ドル100円の状態なので、評価損益は0円です。
通貨を買った瞬間の証拠金維持率:
(50,000+0)÷40,000×100%=125%
続いて1米ドル100円の時に買って、1米ドル99円になった瞬間を考えます。
1米ドルの価値が-1円になったので、評価損益は-1円×10,000米ドル=-10,000円ですので、この瞬間の証拠金維持率は以下のように計算されます。
1米ドル99円になった瞬間の証拠金維持率:
(50,000+(-10,000))÷40,000×100%=100%
証拠金維持率はぴったり100%になりました。
よって1米ドルが99円を割ってしまった時、証拠金維持率が100%を下回ってしまうことがわかります。
この例でのFX会社は「証拠金維持率が100%を下回った時に、自動的に決済を行う」ということになります。
上の文章のうち、
自動的に決済を行う=ロスカット
証拠金維持率が100%を下回った時=FX会社が取り決めたロスカットのルール
となります。
ロスカットのルールはFX会社によって異なります
ロスカットのルールは各FX会社によって違いますので、口座を開設する際に必ずチェックするようにしてください。
例えばロスカットの水準となる証拠金維持率の違いが挙げられます。
前項の具体例の会社のように証拠金維持率100%をしきい値に設定している会社のほか、20%以下とかなり低めに設定している会社もあります。

ロスカット水準の高い会社と低い会社、どっちを選べばいいんだろう?
では前項の具体例を使って考えてみましょう。
証拠金維持率が100%を下回った時にロスカットされる場合には、先ほどの例の通り1万円から1万円強の損失となります。
預託証拠金から損失が差し引かれますので、残る預託証拠金は4万円弱となります。
では証拠金維持率が20%を下回った時にロスカットされる場合を考えてみましょう。
(50,000+(-42,000))÷40,000×100%=20%
よって42000円以上の損失が出て、預託証拠金は8000円弱になってしまいます。
でも証拠金維持率が20%になる前に通貨価値が上がって、ロスカットされずに済む場合も考えられます。
以上をまとめると、ロスカットの水準が
高いほど、ロスカットになる可能性は高いが損失は小さめなので、損失分を取り返せやすいかもしれない
低いほど、ロスカットになる可能性は低いが損失は大きめなので、損失を取り返すのがかなり難しい
うーん、どちらがいいとは言えません(笑)
私としては自分の取引するFX会社のロスカットルールを把握しておけばそれでOKだと思っています。
なぜならロスカットされないことを前提とした取引を行うことが大事というのが、次の項の内容でわかるからです。
【最重要】ロスカットでも防ぎきれないリスクとは
ここからの話が一番重要なところなので、必ず目を通して頂きたいです。
ロスカットはご説明した通り、ある取り決められた水準を下回った時に働く仕組みです。
大抵の場合はその水準より少し下回ったところでロスカットになります。
ただし例外があります。
瞬間的に大きく相場変動が起こった際には、ロスカットがそれに追いつけずに想定以上の損失を被る可能性があります。
FXの世界で記憶に新しいのは2019年新年早々に起きたフラッシュクラッシュという現象で、米ドル/円に4円もの値動きが瞬間的に発生し、多くの投資家が多額の損失を被りました。
誰もが知っている経済不況といえば2008年のリーマンショックでしょうか。
この度の新型コロナウイルス感染症による経済の低迷をコロナショックと呼んだりしますが、この一件でも多額の損失を被った投資家がたくさんいます。
これらの出来事により、ほとんどの資産を失い投資界から姿を消した方や借金まで背負ってしまった方が多くいらっしゃいます。
このように日々利益を積み重ねて増えた資産が一瞬で消えることが起こり得る、ということを必ず肝に銘じて取引することを絶対忘れてはいけません。
ではどうすればよいかというのは、また次の記事でみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
まとめ
最後にこの記事のまとめです。
- ロスカットとは、証拠金維持率がFX会社が取り決めた水準を下回った時に強制的に保有ポジションを決済し損失を確定させる仕組み。
- ロスカットのルールはFX会社によって違うので、必ず確認すること。
- ロスカットでは防ぎきれないリスクがあることを忘れずに。
お疲れさまでした!
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