どうも、みっちゃんです。
本記事では、ドル円などの為替(かわせ)が動くメカニズムをわかりやすくシンプルに解説し、今円安が急速に進んでいる理由を解説いたします。
- 円安って何?
- ドル円(為替)が動くメカニズムは?
- なぜ今急速な円安が進んでいるのか?
2022年急激な円安の進行
2022年4月末現在の米ドル円相場について見てみましょう。
なお、米ドル(USD, US dollar)はアメリカで主に使用され、世界で広く流通する通貨(現在世界の基軸通貨)で、以降「ドル」と表記します。
2022年4月のドル円相場は一時131円台に
2022年4月30日現在のドル円(USD/JPY)月足チャートです。(TradingViewより)
今の円安の流れは2021年秋頃から見られ、特に2022年3月からの2か月間で急速に円安が進行しました。
2022年3月始値が約115円、2022年4月終値が約130円。
2022年4月28日には、一時131円を超えました。
過去20年間を見ても、高い円安水準にあることがわかります。
ドル円(為替)が動くメカニズムは?
円安って何?
円安とは、他の通貨に対して日本円の価値が下がることです。
逆に、日本円の価値が上がれば円高です。
為替とは通貨の交換レート
為替は日本語だとわかりにくいですが、英語では「Exchange Rate」で、通貨の交換レートのことです。
上記では、
「3月初めには1ドル=115円で交換できていたのが、2か月後の4月末には1ドル=130円でしか交換できなくなった」
というふうに考えるとわかりやすいかと思います。
1ドルの価値が15円上がったので、日本円に対してドルの価値が上がった=ドルに対して日本円の価値が下がった=円安になった、ということになります。
為替は交換レートなので、2つの通貨を比べた時にどちらの価値がより高いか(または低いか)によってレートが変わることになります。
通貨の価値は通貨の流通量に影響される
モノの価値の決まり方はいろいろですが、通貨は誰もが使うものですから、食料品の価値の決まり方を考えるとわかりやいです。
日本人に最も馴染みのあるお米で考えてみましょう。
同じブランドのお米の毎年の価値(価格)がどう決まるかと言えば、一番影響するのは豊作だったか不作だったかだと思います。
豊作の年であれば、市場に流通するお米の量が増えるので、お米の価格は下がる傾向になります。
逆に不作の年は、市場に流通するお米の量が減るので、お米の価格は上がる傾向になります。
通貨も同じことが言え、流通する(経済全体に供給されている)通貨の総量(=マネーストック)が多ければ価値は下がりやすく、少なければ価値は上がりやすくなります。
通貨の流通量は金融政策で変わる
金融政策は、簡単に言えば金利を上げ下げして、経済全体への通貨供給量を調整することです。
金融緩和とは、金利を下げ(=利下げ)、企業や個人がお金を借りやすい状況にすることで、経済全体への通貨供給量を増やすことです。
通貨供給量が増えれば、通貨の流通総量が増えるので、通貨の価値は下がりやすくなります。
金融緩和とは反対に、金利を上げ(=利上げ)、企業や個人がお金を借りにくい状況にすることで、経済全体への通貨供給を抑えることを金融引き締めと言います。
通貨供給を抑えると、返済額の方が多くなるため、通貨の流通総量が減るので、通貨の価値は上がりやすくなります。
シンプルに考えば、
金融緩和=通貨の価値が下がる(=通貨安)、金融引き締め=通貨の価値が上がる(=通貨高)
と言えます。
なぜ今円安が進んでいるのか?
アメリカは金融引き締め中
アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年3月の金融政策決定会合(FOMC)でゼロ金利を解除し、0.25%の利上げを行いました。
直近の2022年5月FOMCでは0.5%の利上げを行い、2022年6月・7月のFOMCでさらに0.5%の利上げを見込んでいます。
アメリカは金融引き締め真っ最中であり、過去に類を見ないペースの速い強力な利上げを行う方向です。
金融引き締め→ドルの流通総量が減る→ドルの価値は上がりやすい(=ドル高)
ということになります。
日本は金融緩和を継続
日本銀行は、2022年4月28日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和政策の維持を決定しました。
金融緩和→日本円の流通総量が増える→日本円の価値は下がりやすい(=円安)
ということになります。
真逆の日米金融政策により急速な円安に
アメリカは強い金融引き締めによりドル高基調に対し、日本は大規模な金融緩和維持によりダブルパンチで円安が進行したということになります。
ちなみに世界全体として、今は新型コロナ感染症からの脱却による強い経済回復と高インフレにより、金融引き締めフェーズに突入しており、金融緩和を行っているのは日本と中国くらいです。
日本円は今世界のあらゆる通貨に対して円安になっています。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も資産運用に関する記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
情報元:
ロイター | FOMCに注目、0.5%利上げか 資産圧縮焦点=今週の米株市場
日本経済新聞 | 円安・資源高でも緩和継続 日銀ウォッチまとめ読み
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