【悪い円安】日本の円安政策の失敗と直面する危機

どうも、みっちゃんです。


本記事では、日本が続けてきた円安政策の本質を理解し、今日本が直面する「悪い円安」と言われる危機について考えたいと思います。

この記事を読むとわかること

  • 円安による企業と労働者への影響は?
  • なぜ悪い円安と言われているの?


2022年急激な円安の進行

2022年4月末現在の米ドル円相場について見てみましょう。

なお、米ドル(USD, US dollar)はアメリカで主に使用され、世界で広く流通する通貨(現在世界の基軸通貨)で、以降「ドル」と表記します。

2022年4月のドル円相場は一時131円台に

2022年4月30日現在のドル円(USD/JPY)月足チャートです。(TradingViewより)


2022年4月30日現在のドル円(USD/JPY)月足チャートです


今の円安の流れは2021年秋頃から見られ、特に2022年3月からの2か月間で急速に円安が進行しました。

2022年3月始値が約115円、2022年4月終値が約130円。
2022年4月28日には、一時131円を超えました。

過去20年間を見ても、高い円安水準にあることがわかります。

なぜ日本は円安政策を続けるのか?

円安政策とは?

円安に誘導するには、金融緩和や為替介入などが挙げられます。


金融政策と円安・円高の関係性がよくわからないという方は、「【2022年円安急進】今円安が進む理由を簡単解説」で詳しく解説していますので、こちらも是非お読みください。

なぜ円安政策なのか?

2000年代以降の株価低迷が、急激な円高による国際競争力の低下だと企業から悲鳴が上がったことから、円安政策が行われるようになりました。

円安が輸出企業にとってプラスの仕組み

輸出価格(物価)の上昇により利益が増えます。
その結果、株価が上がります。

円安による輸出物価上昇分を労働者に還元しない

円安により企業の利益が増えても、労働者の賃金を上げようとしません。

円安の影響を考えれば、労働者の日本円の賃金は変わらなくても、ドルに換算した賃金は下がっていることになります。

対外的に見れば、日本の労働者は円安になるほど貧しくなっていると言えます。(国際的な購買力の低下)

労働者の負担によって、企業利益が増えていると考えることもできます。

円安による輸入物価上昇分は消費者物価に転嫁される

円安は輸出物価を高めると同時に、輸入物価も高めます。

輸出物価と輸入物価の上昇率は一定のため、日本全体で考えると円安の影響はほとんど相殺されるはずです。

ところが、企業は輸入物価の値上がりを物価に上乗せしますので、企業は儲けが減らない代わりに、日本の労働者を含む消費者はさらに貧しくなるという構図です。

円安政策は企業にとって甘い蜜

企業努力をしなくても利益が上がる円安は、企業にとって非常に都合の良いものでした。

悪い円安

日銀による異次元金融緩和

2013年に開始した異次元金融緩和では、消費者物価(インフレ)上昇率2%が政策目標に置かれました。

日銀は市場から国債を買い上げ、その結果金利が低下し、円安が進みました。

上のセクションで説明した通り、円安により企業の利益は増え、株価が上がった反面、労働者の賃金は上がりませんでした。

賃金が上がらなければ、物価は上がらない

賃金が上がらなければ、物価の上昇は上限が限られます。

なぜなら、賃金が低い状態の消費者に高いモノを売ろうとしても売れるはずがないからです。

物価を上げるためには、賃金を上げることが前提条件なのです。

今直面する危機「悪い円安」とは

2021年よりインフレ率が急上昇しています。

これは2020年にはじまった新型コロナウィルス感染症からの脱却による経済活動の急回復に、原材料を含むあらゆるモノの生産供給が追い付かず、それに加え物流の混乱による物流コストの上昇や、原油価格高騰による生産・物流コストの上昇が原因です。


日本は非常に多くのものを輸入しています。

企業はこれまで輸入物価上昇の大部分を消費者物価に転嫁してきましたが、今の状況においてはそれが難しく、企業負担が増えることになります。

企業負担が増えれば、当然利益は減り、円安の恩恵は受けられません。


今の円安は労働者だけでなく、日本経済の体力を消耗させる一方なのです。

まとめ:企業は円安に甘え、技術革新を怠った

アベノミクスの異次元金融緩和政策は、株価を引き上げる代わりに日本の労働者を貧しくしました。

賃金が上がらず、円安の進行により、日本人は国際的に見て貧しくなってしまいました。


円高は確かに輸出企業にとって不利なものですが、本来は企業が技術革新(イノベーション)を行い、生産性を引き上げ、円高に耐えうる体制を作り上げるべきでした。

イノベーションで生産性を上がれば、たとえ円高でも企業の売上や利益は増えるはずで、株価だけではなく賃金も上がっていたはずです。

それは今のアメリカを見れば明確です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後も資産運用に関する記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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